「あと何分」から、
「どんな空模様か」へ。
ふとスマホを見たとき、
「14:32」という数字に
胸がざわつくことはありませんか。
本来、時間はメトロノームのように
均質なものではありません。
あなたの時間は、もっと自由であっていい。
太陽と共に起き、
月と共に眠る。
懐かしくて新しい、
身体が覚えているリズム。
朝は「明け六つ」、夕方は「暮れ六つ」。
太陽の動きに合わせて、一日が緩やかに流れていく。
分刻みの列車
季節の小舟
数字ではなく、干支で。
分刻みではなく、刻(とき)で。
分刻みの列車を降りて、
季節の小舟に乗り換える。
四つの仕草

和時計
空の色を知る、のぞき窓。
今、太陽はどの高さにあるか。季節によって長さが変わる「一刻(いっとき)」が、あなたの呼吸を整えます。

月読み
夜の深さを知る、暦。
今日は満月か、新月か。月の満ち欠けを知るだけで、夜の過ごし方が少し変わります。

線香時計
ただ、煙を目で追う。
短香15分、一炷40分、長寸60分。燃え尽きるまでの間、あなたは自由です。

時の鐘
余韻(ま)を聴く。
通知音ではありません。遠くの寺院から響くような、深い「間」のある鐘の音が、時を知らせます。
一日のなかで
時の舟人がある暮らし
鳥の声と、明け六つ。
目覚まし時計に叩き起こされるのではなく、空が白む気配と共に、一日を始めます。
忙しない日々に、一服の「間」を。
数字に追われるオフィスの中で、手元の小舟だけは、ゆったりと流れています。
線香一本の、ととのい。
スマホを持ち込めない場所でも、Apple Watchで線香時計。煙が消えるまで、ただ蒸気に身を委ねる。
「今日」を閉じる、儀式として。
暮れ六つの鐘が鳴ったら、それは「お天道様が隠れた」合図。もう、頑張らなくていい時間です。
読み物
江戸の時間と和時計をめぐる、季節の刻のはなし
「明け六つ=日の出」は、半分しか正しくない
時代小説でおなじみの「明け六つ」。日の出のことだと思われがちですが、その答えは暦の歴史のなかで三度書き換えられています。いつ正しく、いつ違うのかを、一次情報からていねいに解きほぐします。
改暦は、本当に「財政難のため」だったのか
明治の改暦は「財政難のため」とよく説明されます。役人の給料を一か月分浮かせるための改暦だった、と。けれど、それだけでは説明しきれません。財政が決めたものと、近代国家が決めたものを、ていねいに腑分けします。
九つ、八つ、七つ… なぜ数は減っていくのか
江戸の時刻は「九つ、八つ、七つ…」と、数が減っていきます。なぜ増えずに減るのか。なぜ九から始まるのか。時の鐘の打数と、陰陽の「九」をめぐる、よくできた仕掛けを解きほぐします。
さらに深く、時を味わう。
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